観察場所の概要
西表島は、沖縄県八重山諸島に位置する日本最南端の有人島で、2021年に世界自然遺産に登録された生物多様性の宝庫です。島の約90%を亜熱帯林が覆い、マングローブ林や河川、海岸線など多様な生態系を有しています。この豊かな自然環境を背景に、西表島は特別天然記念物のカンムリワシをはじめ、キンバトやリュウキュウコノハズクなど、八重山諸島固有の希少な鳥類が生息する国内有数の野鳥観察地となっています。西表島では、深い森林や道路沿い、マングローブ林など様々な環境で野鳥観察が楽しめます。特に早朝の道路沿いでは、電柱にとまるカンムリワシや、シロハラクイナなどの珍しい鳥類を観察できる可能性が高く、バードウォッチャーにとって魅力的なスポットとなっています。
観察場所のイラストマップ
観察日の状況
日時:2023年4月1日 8時〜15時
天候:くもり
観察できた鳥たち
アオアシシギ、アマサギ、オグロシギ、カンムリワシ、クロサギ、クロツラヘラサギ、セイタカシギ、セッカ、タカブシギ、ダイサギ、チョウダイズアカアオバト、ホオジロ、ムラサキサギ、リュウキュウキジバト、リュウキュウサンショウクイ、リュウキュウツバメ
以上16種類
リュウキュウサンショウクイ
- 特徴や行動の詳細:南西諸島では留鳥 大きさ20センチ。頭部から背中側は黒い。頭の前側は白く、喉から腹も白い。オス、メスともスマートな体型。
チョウダイズアカアオバト
- 特徴や行動の詳細:屋久島以南の南西諸島では留鳥。大きさ35センチ。全体が緑色でアオバトに似る。「ポォーボアー」などとゆっくり鳴く。
クロサギ
- 特徴や行動の詳細:留鳥 大きさ62センチ。青みのある黒で、胸と背中側の飾り羽がある。
ムラサキサギ
- 特徴や行動の詳細:先島諸島では留鳥 大きさ79センチ。背中側が紫色を帯びた濃い灰色。顎から胸が赤茶色で黒色の太い線がある。
クロツラヘラサギ
- 特徴や行動の詳細:冬鳥 大きさ77センチ。全体が白色で、クチバシの先端がしゃもじ状で目先からクチバシが黒く、目の位置がはっきりしない。成長はクチバシが黒い。
アマサギ
- 特徴や行動の詳細:夏鳥、暖地では少数が越冬。大きさ51センチ。夏羽は頭から顎にかけて橙色で背中に橙色の飾り羽が出る。
ダイサギ
- 特徴や行動の詳細:夏鳥または漂鳥 大きさ90センチ。夏羽はクチバシが黒く、目の前側が青緑色になる。背中側に長い飾り羽がある。
カンムリワシ
- 特徴や行動の詳細:石垣島と西表島に留鳥 大きさ53センチ。頭は黒く、黄色い目先は目立つ。幼鳥は頭部から腹側が白く、全体がかなり白っぽく感じる。
セッカ
- 特徴や行動の詳細:関東地方以南に留鳥 大きさ13センチ。クチバシは細く、やや下に曲がる。草の茎に両足を開いてとまるポーズをよくする。
セイタカシギ
- 特徴や行動の詳細:旅鳥 大きさ37センチ。クチバシは黒く細長い。赤い足はよく目立つ。背中側は黒く、他は白い。
リュウキュウツバメ
- 特徴や行動の詳細:南西諸島に留鳥 大きさ14センチ。胸から腹は汚れた白色、境にツバメのような黒い帯はない。
ホオジロ
- 特徴や行動の詳細:屋久島以北で留鳥 大きさ16センチ。成長のオスは目の下に三角形の白側部があり、ホオジロの名の由来になる。
オグロシギ
- 特徴や行動の詳細:旅鳥 大きさ38センチ。クチバシはピンク色から橙色で、先端部は黒く、長くて真っすぐ。脚は黒く長い。背中側の丸めの班が目立つ。
アオアシシギ
- 特徴や行動の詳細:旅鳥 大きさ35センチ。クチバシは黒く、長くてやや上に反る。脚は緑色で長い。
タカブシギ
- 特徴や行動の詳細:旅鳥 大きさ25センチ。クチバシは真っ直ぐで黒く、下クチバシの基部は肉色。脚は黄色で、体を上下にゆらす。背中はクサシギより大きな白斑が点在する。
リュウキュウキジバト
- 特徴や行動の詳細:留鳥 大きさ33センチ。背中側は羽縁が白っぽく波状の横縞になる。
印象的だった場面
- クロツラヘラサギが農道を堂々と歩いている姿。ダイサギの長い飾り羽冠の白と田んぼの稲の緑色のコントラストの美しさ。セイタカシギの長くて赤い脚と田んぼの稲の緑色のコントラストも美しい。カンムリワシの堂々とたたずむ迫力ある姿。
今回の観察で学んだこと
- 現地の野鳥観察スポットに精通した方にガイドをしていただいたおかげで、短時間で島全体をくまなく野鳥観察することができた。初めて訪れる場所での野鳥観察には現地に精通したガイドが必要。