観察場所の概要
7月10日から14日までの5日間、北海道道東で野鳥観察旅行(鳥旅)を楽しんできました。この旅では、女満別空港から釧路空港まで、約500キロの道のりをレンタカーで巡りました。
10日 女満別空港〜小清水原生花園
11日 小清水原生花園〜野付半島
12日 野付半島〜春国岱
13日 明治公園〜落石クルーズ〜落石岬
14日 花咲車石〜釧路空港
11日はお昼から野付半島で野鳥観察を行いました。野付半島は、知床半島と根室半島のほぼ中間あたりに細長く海に突き出した砂嘴(さし)です。潮の流れによって砂が堆積してできた延長28kmにも及ぶ国内最大規模の砂の半島です。立ちかれた姿であるトドワラやナラワラといった変化に富んだ自然景観が魅力であり、220種類以上の鳥が記録されている国内有数の野鳥観察地です。
観察場所のイラストマップ
主な観察場所は紫色の箇所です。野付半島先端砂洲から春別川河口までを4時間弱で移動しました。
観察日の状況
日時:2024年7月11日 午後1時〜午後4時
天候:晴れ、気温24℃
周辺環境の状況:野付半島ネイチャーセンター付近に野鳥以外にキツネやエゾシカもいます。
野付半島ネーチャーセンターからトドワラ遊歩道の終点までは徒歩で片道25分。かってはトドマツの立ち枯れた巨木が林立する幽玄な景観は、地盤沈下の影響で今は失われて大きく変わったトドワラ。しかし、現在も幽玄な景観には変わりはありません。
装備品:双眼鏡(kowa10X42)、野鳥図鑑(フィルードガイド日本の野鳥)、デジカメ(ニコン COOLPIX p950) ノート、ペン
観察できた鳥たち
アオサギ、カッコウ、オオジュリン、カワラヒワ、タンチョウ、オジロワシ、ベニマシコ、アオジ、ショウドウツバメ、コムクドリ、カワアイサ、スズガモ、シマセンニュウ、ヒバリ、コヨシキリ、カワウ、マガモ、トビ、ハヤブサ、オオセグロカモメ、ウミネコ、キジバト、ハクセキレイ、ムクドリ
以上24種類
アオサギ
- 特徴や行動の詳細:北海道では夏鳥。普段は単体で見ることが多い鳥ですが、この日は大空を群れで飛ぶ姿が見られました。
カッコウ
- 特徴や行動の詳細:「カッコー、カッコー」という鳴き声が有名。大きさは35センチ、姿は灰色系の地味な色で、大きさの割にには目立たない。電線にとまっていたので見つけることができました。
オオジュリン
- 特徴や行動の詳細:北海道では夏鳥。雄のオオジュリンが草木の上の目立つ場所にとまってさえずっていました。黒い頭部がよく目立ちます。コントラストのはっきりした色彩が繁殖期の特徴。西日本や東日本では越冬地になるので、冬の枯れ野でひっそり過ごす姿になる。夏羽の美しい姿が見られるのは北海道らしい。
カワラヒワ
タンチョウ
- 特徴や行動の詳細:北海道を代表する鳥。大きさは145センチ。頭頂は皮膚が裸出していて赤い。野付半島では通年観察できます。
オジロワシ
- 特徴や行動の詳細:北海道を代表するワシ。全長は雄83センチ、雌92センチ。羽色は全体的に褐色で尾は白く、嘴は黄色い。幼鳥や若鳥は全体に濃茶褐色で、嘴は黒い。魚類を主食とするため、おもに海岸や大きな河川、湖沼周辺に生息する。
ベニマシコ
- 特徴や行動の詳細:北海道では夏鳥、本州以南では冬鳥。大きさは15センチ。繁殖地である北海道の生息地は原生花園などの海岸草原、湿原、ヨシ原など。警戒心が強く、じっくり観察できる機会は少な目です。この日は、原生花園の観察していた時、すくそばの電柱の支線にとまっているベニマシコを発見。しかし、カメラを向けると直ぐに飛んでいきました。
アオジ
ショウドウツバメ
- 特徴や行動の詳細:日本では北海道でのみ繁殖。大きさは13センチ。主に空中に浮遊している小さい昆虫を捕食します。和名のショウウドウとは「小洞」で、崖に小さい穴を掘って集団繁殖するため小さい洞穴のツバメという意味だと解釈されています。
コムクドリ
- 特徴や行動の詳細:本州中部以北で夏鳥。北海道ではよく見ることができる夏鳥。大きさは19センチ。電線にたくさんのコムクドリの群れを発見。電柱の直ぐ近くにある木にとまり木のみを食べているムクドリの幼鳥を撮影しました。
カワアイサ
スズガモ
- 特徴や行動の詳細:冬鳥ですが、7月の野付半島にいました。野付湾で最も多いカモ類。大きさは45センチ。背中側は白と黒の鱗模様。顔から胸は黒い。
印象的だった場面
- 草原でゆっくりと歩くタンチョウの姿、魚を狙い微動だにしないオジロワシ、ものすごいスピードで巣を出入りするショウドウツバメ。美しい赤色羽のベニマシコ、黒頭のオオジュリン、黄色いお腹と背中の緑が美しいアオジ。この時期、この場所しか見られない、すべての鳥たちの姿に感動しました。
今回の観察で学んだこと
- 野付半島ネイチャーセンター長の藤井さんにガイドをしていただき野鳥観察をおこないました。野付半島は探鳥地が10ヶ所もあり、半日ではとてもまわりきれません。時期を変えて再び訪れたい場所です。