観察場所の概要
7月10日から14日までの5日間、北海道道東に野鳥観察旅行(鳥旅)に出かけました。女満別空港〜小清水原生花園〜野付半島〜春国岱〜明治公園〜落石〜花咲車石〜釧路空港までの500キロの距離をレンタカーで移動しました。
小清水原生花園は濤沸湖に近接しています。濤沸湖はオホーツク海側の代表的海跡の一つで、砂洲の発達により海と隔てられてできた浅い汽水湖です。周囲に多様な環境を含め230種以上の野鳥の観察が記録されている有数の探鳥地です。6月から7月ごろは原生花園の草原生の小鳥が存分に楽しめます。エゾキスゲの淡黄色とエゾスカシユリのオレンジ色との花の中での小鳥たちのさえずりは北海道を代表する自然景観です。観察した鳥の姿や行動、感じたことを共有したいと思います。
観察場所のイラストマップ
小清水原生花園では、JR釧路線原生花園駅を中心に2つの主要な観察エリアがあります。
A:駅前の原生花園エリア 国道244号線を渡った先に広大な原生花園が広がります。木道が約300m程あり、木道の先には野鳥観察デッキがあります。
B:駅の海側エリア 原生花園駅の海側に広がる草原広々とした遊歩道があります。遊歩道を歩きながらのんびりと野鳥観察ができます。
観察日の状況
日時:2024年7月10日 午後4時〜5時30分
天候:曇り、気温19℃
周辺環境の状況:海側の草原にはエゾキスゲの淡黄色の花が綺麗にさいていました。ノハナショウブが咲き乱れる草原の中に飛び回るノビタキの姿と放牧されている馬の姿を間近に見ると北海道の大自然を感じました。
装備品:双眼鏡(kowa10X42)、野鳥図鑑(フィルードガイド日本の野鳥)、デジカメ(ニコン COOLPIX p950) ノート、ペン
観察できた鳥たち
ノビタキ、ホオアカ、アオジ、オオジュリン、ハクセキレイ、ウミウ
以上6種類
ノビタキ
- 特徴や行動の詳細:夏鳥として本州中部の高原や北海道の低地の草原に渡来。渡りの時には本州以南の低地の畑や河原の草原にもいます。大きさは13センチです。雄の夏羽は頭から喉、後頭、背、翼、尾羽が黒く、翼には白い縦長の斑があります。胸は橙色。雌の夏羽は頭から背中側は黒っぽい茶色。翼には小さい白斑があります。喉から腹は汚れた白色で、胸は雄より淡い橙色。ハマボウフウの上でさえずる雄のノビタキの動画が撮影できました。
ホオアカ
- 特徴や行動の詳細:繁殖期の雄のホオアカが草の穂先にとまっていました。ホオアカは草原を好み、灌木や草の先端で囀ります。高い木にはとまりません。繁殖期は昆虫類やクモ類を採食し、非繁殖期は草の種子などを食べます。大きさは16センチです。頬は赤褐色で、下面は白く、胸に黒と褐色の2本の横帯があります。
アオジ
- 特徴や行動の詳細:北海道では夏鳥です。繁殖期の雄のアオジが木の枝先にとまっていました。ゆっくりとしたテンポでさえずっています。アオジは繁殖期以外、薄暗い林道や灌木の茂みで生活しますが、繁殖期には草地などの明るいところにも出てきます。昆虫類、クモ類、草の種子を採食します。大きさは16センチです。背は緑灰色で黒い縦斑があり、腰は茶褐色です。夏羽では全体的に黄色が鮮やかになり、クチバシと目の周りが黒くなります。
印象的だった場面
- 撮影した動画を再生してわかったことですが、ホオアカが昆虫を口にくわえたまま「チッチッチ」と鳴いています。昆虫をしかっかりくわえ、周囲を警戒し、地鳴きする姿がとても印象的でした。
今回の観察で学んだこと
- 国道を渡った側の小清水原生花園はデッキからしか野鳥を観察することができない。野鳥との距離は10m以上あるので双眼鏡は必須。あまりデッキの上を動き回らずに、立ち止まって静かにしていれば野鳥の姿を観察することができる。