2024年7月12日 北海道野付半島での野鳥観察

 観察場所の概要

7月10日から14日までの5日間、北海道道東で野鳥観察旅行(鳥旅)を楽しんできました。この旅では、女満別空港から釧路空港まで、約500キロの道のりをレンタカーで巡りました。

10日 女満別空港〜小清水原生花園

11日 小清水原生花園〜野付半島

12日 野付半島〜春国岱

13日 明治公園〜落石クルーズ〜落石岬

14日 花咲車石〜釧路空港

12日は早朝から昨日に引き続き、野付半島で野鳥観察を行いました。野付半島は、知床半島と根室半島のほぼ中間あたりに細長く海に突き出した砂嘴(さし)です。潮の流れによって砂が堆積してできた延長28kmにも及ぶ国内最大規模の砂の半島です。立ちかれた姿であるトドワラやナラワラといった変化に富んだ自然景観が魅力であり、220種類以上の鳥が記録されている国内有数の野鳥観察地です。

観察場所のイラストマップ

今朝は標津付近での野鳥、ポンニッタイでの原生花園の夏鳥、春別川河口でのミヤコドリを重点的に観察しました。

観察日の状況

日時:2024年7月12日 午前5時〜11時

天候:晴れ、気温17℃

周辺環境の状況:ノハナショウブ、ハマナス、エゾフウロなどさまざまな花が咲き乱れるポンニッタイの原生花園。

9時30分頃に春別川河口付近に到着した時は、潮位が高くミヤコドリはいませんでした。11時頃から潮位が下がりだし、浅瀬ができ始めるとミヤコドリが貝を食べにやってきました。

装備品:双眼鏡(kowa10X42)、野鳥図鑑(フィルードガイド日本の野鳥)、デジカメ(ニコン COOLPIX p950) ノート、ペン

 

観察できた鳥たち

標津町:コムクドリ、キアシシギ、オオセグロカモメ

ポンニッタイ:オジロワシ、ベニマシコ、ノビタキ、アオジ、カッコウ、カワラヒワ

春別川河口:カワアイサ、スズガモ、ミヤコドリ

以上12種類

 

コムクドリ

  • 特徴や行動の詳細:本州中部以北で夏鳥。北海道ではよく見ることができる夏鳥。大きさは19センチ。電線にたくさんのコムクドリの群れを発見。標津町で観察。

 

キアシシギ

  • 特徴や行動の詳細:旅鳥。大きさは25センチ。秋の渡りは8月上旬頃から始まるが、早くも7月のこの時期に渡ってきたと思われる。標津町で観察。

 

オオセグロカモメ

  • 特徴や行動の詳細:野付半島では最も数の多いカモメ類。大きさは64センチ。尾岱沼漁港周辺の建造物の屋上などで繁殖している。標津町で観察。

 

オジロワシ

  • 特徴や行動の詳細:北海道を代表するワシ。全長は雄83センチ、雌92センチ。羽色は全体的に褐色で尾は白く、嘴は黄色い。幼鳥や若鳥は全体に濃茶褐色で、嘴は黒い。魚類を主食とするため、おもに海岸や大きな河川、湖沼周辺に生息する。ポンニッタイで観察。

ベニマシコ

  • 特徴や行動の詳細:北海道では夏鳥、本州以南では冬鳥。大きさは15センチ。繁殖地である北海道の生息地は原生花園などの海岸草原、湿原、ヨシ原など。警戒心が強く、じっくり観察できる機会は少な目です。今朝は、ポンニッタイ原生花園の茂みの中から顔をだしたベニマシコのペアを観察できました。しかし、観察地点からは100メートル以上離れているので遠くからの観察です。その後、場所を変えて観察していると、電線支柱に止まっているベニマシコの雄をじっくり観察することができました。ポンニッタイで観察。

 

ノビタキ

  • 特徴や行動の詳細:夏鳥として北海道全域の草原で普通に見ることができる小鳥。大きさは13センチです。雄の夏羽は頭から喉、後頭、背、翼、尾羽が黒く、翼には白い縦長の斑があり、胸は橙色というメリハリのある姿が見られるのは北海道ならでは。ポンニッタイで観察。

 

アオジ

 

カワアイサ

  • 特徴や行動の詳細:大型の水鳥で、日本のアイサ類では最大。大きさは65センチ。全国的には冬鳥だが、尾岱沼漁港や凍らない水域で越冬している。春別川河口で観察。

 

スズガモ

  • 特徴や行動の詳細:野付湾では最も多いカモ類。大きさは45センチ。春別川河口で観察。

 

 

ミヤコドリ

  • 特徴や行動の詳細:冬鳥、東北地方以北では旅鳥。大きさは45センチ。頭部から喉、背中側は黒く、胸から腹は白い。赤いくちばしと赤い脚はよく目立ちます。潮が引くと中洲や岩場の休息地から飛んできて採食を始める。特異な嘴で二枚貝を上手に開いて食べることが多い。カニ、シャコ、ゴカイ類なども食べる。春別川河口で観察。

 

印象的だった場面

  • 前日に春別川河口に来た時は、潮位が高くミヤコドリを観察することができませんでした。今朝も9時半頃は潮位が高かったのですが、お昼前ごろに潮位が下がりだし、中洲ができはじめるとミヤコドリが群れでやって来ました。中洲を歩きまわり、貝を砂の中からひっぱり出し食べるミヤコドリの姿を夢中で観察しました。

今回の観察で学んだこと

  • 野付半島には草地、河川、干潟などの自然の多様な自然環境があるので、短い移動距離で多くの野鳥たちに出会えることです。次回は、ユキホオジロを代表とする冬鳥が見れる冬、シギ、チドリの春の渡りなどの季節にも訪れて見ようと思います。

次回の観察計画